谷川俊太郎さん、ありがとうございました

偉大なる詩人のご冥福をお祈り申し上げます。

朝、テレビを見ていると悲しいニュースが流れてきました。詩人の谷川俊太郎さんがお亡くなりになりました。

すごく好きな詩がたくさんありました。たまに読み返すと涙が出てきます。ご高齢だったのでそう長くない将来にお別れだと思っていましたが、はやりさみしいですね。

いくつか詩を紹介します。

「きみ」は少年少女の淡い純愛の詩ではありません。少年時代に男の子を好きになった気持ちを詩にしています。そうして読むとしっくりきますよね。

谷川さんは少年時代にはみんなゲイになるんだよ、と言っていました。まさにそのとおりです(笑)。

「きみ」

きみはぼくのとなりでねむっている
しゃつがめくれておへそがみえている
ねむってるのではなくてしんでるのだったら
どんなにうれしいだろう
きみはもうじぶんのことしかかんがえていないめで
じっとぼくをみつめることもないし
ぼくのきらいなあべといっしょに
かわへおよぎにいくこともないのだ
きみがそばへくるときみのにおいがして
ぼくはむねがどきどきしてくる

ゆうべゆめのなかでぼくときみは
ふたりっきりでせんそうにいった
おかあさんのこともおとうさんのことも
がっこうのこともわすれていた
ふたりとももうしぬのだとおもった
しんだきみといつまでもいきようとおもった
きみとともだちになんかなりたくない
ぼくはただきみがすきなだけだ

「なんでもおまんこ」 

これはさすがに谷川さんにしか許されないかもです。普通に本に出版されていました。よく読むとすごい詩です。セクシー男優のしみけんさんが、撮影で「山」とセックスさせられた話を思い出しました。

なんでもおまんこなんだよ
あっちに見えてるうぶ毛の生えた丘だってそうだよ
やれたらやりてえんだよ
おれ空に背がとどくほどでっかくなれねえかな
すっぱだかの巨人だよ
でもそうなったら空とやっちゃうかもしれねえな
空だって色っぽいよお
晴れてたって曇ってたってぞくぞくするぜ
空なんか抱いたらおれすぐいっちゃうよ
どうにかしてくれよ
そこに咲いてるその花とだってやりてえよ
形があれに似てるなんてそんなせこい話じゃねえよ
花ん中へ入っていきたくってしょうがねえよ
あれだけ入れるんじゃねえよお
ちっこくなってからだごとぐりぐり入っていくんだよお
どこ行くと思う?
わかるはずねえだろそんなこと
蜂がうらやましいよお
ああたまんねえ
風が吹いてくるよお
風とはもうやってるも同然だよ
頼みもしないのにさわってくるんだ
そよそよそよそようまいんだよさわりかたが
女なんかめじゃねえよお
ああ毛が立っちゃう
どうしてくれるんだよお
おれのからだ
おれの気持ち
溶けてなくなっちゃいそうだよ
おれ地面掘るよ
土の匂いだよ
水もじゅくじゅく湧いてくるよ
おれに土かけてくれよお
草も葉っぱも虫もいっしょくたによお
でもこれじゃまるで死んだみたいだなあ
笑っちゃうよ
おれ死にてえのかなあ

ご冥福をお祈り申し上げます。

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